更年期症状がつらくて会社を退職してしまおうか、退職するしかないんじゃないかと考えている人はちょっと待って!! 更年期症状は我慢するだけじゃないんです。

 

更年期の症状って、症状そのものもつらいけれども精神的な苦痛も大きいですよね。「更年期障害」という立派な病気の一つなのに、周囲の人から理解されにくいどころか「それぐらいでなに言ってるの?」とか、「怠けてるの?」「気がゆるんでるんじゃない?」とか!!

 

実は私も更年期症状のために精神的につらくなって会社を退職してしまった一人です。退職してから更年期についていろいろ勉強しました。正直、退職前に勉強するべきだったと反省していますが……。

 

ここでは更年期の簡単な基礎知識と、専門ケア、セルフケアをご紹介しています。過去の自分と同じつらい思いをしている人たちの力に、少しでもなれたら幸いです。

 

更年期の基礎知識

病気について知るということは、対策をとるうえでやはり大事なこと。ましてや、更年期障害の原因は女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少にあると解明されています。原因が明確なら、その対策も明確です。

 

 

fa-arrow-circle-right更年期のさらに詳しい記事はこちら→「更年期の基礎知識

 

 

妊娠に関わる働きと、全身の健康や美しさに関わる働きを持つ女性ホルモン「エストロゲン」。思春期に急激に分泌量を増やし、20~30代に分泌量のピークを迎えます。その後は徐々に分泌量を低下させ、更年期に差し掛かると一気にその量を減らします。妊娠の役割を終えるためです。そしてほとんど分泌がされなくなると閉経を迎えます。

 

エストロゲンの働きの低下

更年期とは、閉経を挟んだ前後10年間ほどのことをいいます。閉経の平均年齢がおよそ50歳とされていますので、45~55歳ぐらいでしょうか。この時期に「エストロゲン」が急激に減少することで、それまでエストロゲンが担っていた働きそのものが低下します。これが更年期症状の要因の1つです。

【エストロゲンの働き】
  • 妊娠に備え子宮内膜を増殖させる
  • 自律神経を活発にする
  • 肌や髪、粘膜の潤いを保つ
  • 代謝を助ける
  • 骨や血管を丈夫にする
  • 脳神経の老化を防ぐ など……
【働きが低下すると……】
  • 自律神経が不安定になりイライラや不安感、意欲の低下などが起きやすくなる
  • 肌や髪の潤いが不足してシワなどになりやすくなる
  • 粘膜が乾燥してドライアイ、ドライマウス、膣の乾燥などが起こりやすくなる
  • 骨がもろくなり骨粗しょう症などになりやすくなる
  • 血管が老化して動脈硬化などが起こりやすくなる
  • 物忘れがひどくなる など……

自律神経の乱れ

2つ目の要因は自律神経の乱れです。「エストロゲン」が急激に減少することで、もう一つの女性ホルモン「プロゲステロン」とのバランスが保てなくなります。いわゆるホルモンバランスの乱れです。ホルモンバランスの乱れは自律神経のバランスにも悪影響を及ぼして、自律神経を乱れさせます

【自律神経の働き】
  • 循環機能の制御
  • 呼吸機能の制御
  • 消化機能の制御
  • 発汗、体温調節機能の制御
  • 内分泌機能の制御
  • 生殖機能の制御
  • 代謝機能の制御
  • 精神安定の制御 など……
【自律神経が乱れると……】
ホットフラッシュ、ほてり、のぼせ、頭痛、めまい、息切れ、動悸、便秘、不眠、疲労
感 など……

 

このように、エストロゲンの急激な減少が更年期障害の引き金となっているのです。原因が明確なので対策もとりやすいでしょう。退職を悩む前に、まずは必要なケアを実践してみませんか

 

専門家によるケア

セルフケア

 

 

更年期の専門ケア

症状がつらくて退職しようかと思い悩むほどであれば、一度、専門医に相談してみるのもよいと思います。日常生活に支障を来している時点で「更年期障害」という病気なのです。「ホルモン補充療法(HRT)」「プラセンタ注射」「漢方薬」などがあります。

 

 

ホルモン補充療法(HRT)

減少したエストロゲンを補充し継続的に維持することで、症状の改善を図ります。

 

婦人科を受診し、ホルモン値などを計測したあと治療に入ります。治療薬は、飲み薬・貼り薬・塗り薬の3種類あり、保険が適用されます。ホルモン量を継続的に維持することで、閉経後の骨粗しょう症などを予防する効果もあります。治療中は定期的に検診が必要です。

 

fa-arrow-circle-right参考サイト→女性の健康とメノポーズ協会

 

 

プラセンタ注射

医療用のプラセンタ注射には更年期症状の治療を目的に保険が適用されます。定期的な医療機関の受診が必要です。

 

 

漢方薬

漢方は、その人の体質に合わせて症状を調和させることで不調を和らげます。漢方医の診断を受けて正しく服用するのがよいでしょう。医療機関で処方される漢方薬には保険が適用されます。

 

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更年期のセルフケア

更年期症状はエストロゲンの減少が引き金による「エストロゲンの働きの低下」「自律神経の乱れ」が原因。ということは女性ホルモンを補い、自律神経を整える生活習慣を身につけることが重要です。特に、食生活のバランスを整え、適度な運動を行うことは、更年期以降のさまざまな不調を予防する上でも大事なことです

 

 

食生活

人が生きていくうえで必要不可欠な食事。「お腹がすいたから何となく……」「時間だから何となく……」では、更年期以降を乗り切ることはできません。食事バランスを整えて、「エストロゲン」とよく似た働きをする食材を普段の食事に取り入れましょう。

食事バランスガイドの図

出典:農林水産省WEBサイト

【豆類】
「エストロゲン」とよく似た化学構造を持つといわれる「大豆イソフラボン」。腸内細菌によって糖がはがされて体内へ吸収されます。
◆イソフラボンを含む主な食品:大豆、納豆、味噌、豆腐、豆乳、きな粉など
【ゴマ、ライ麦】
ゴマやライ麦に含まれる「リグナン」。腸内細菌によって「エストロゲン」に似た作用を持つ成分へと変化するとされています。
◆リグナンを含む主な食品:ゴマ、ゴマ油、ライ麦、アマニなど
【ヨーグルト】
「大豆イソフラボン」も「リグナン」も決め手は腸内細菌。良好な腸内環境を目指しましょう。
ところが、エストロゲンとよく似た働きをするといわれている食材を摂取しても、その効果が十分に得られる人と得られない人がいることが最近の研究でわかってきました。↓も参考にしてください。

 

ストレス

ホルモン減少の敵「ストレス」。仕事、子育て、親の介護など更年期世代の働く女性のストレスは相当なもの。適度な運動を取り入れながら、上手に付き合う方法を身につけて。

【適度な運動をしよう】
ラジオ体操は、体全体の筋肉や関節をバランスよく動かすことができるように作られています。特にラジオ体操第二は、血行を促進し内臓の働きを活性化させてくれるそうです。簡単で効果的なラジオ体操を習慣にしてみませんか。きっと10年後の健康に差がでますよ。

 

 

※私は毎日、第一から第二までやっています。ほんの7~8分です。体のゆがみが改善されて肩こりなどが楽になります。やらずにはいられない体になっちゃいますよ! 特に座りっぱなしの職業の方、本当におすすめです!
【幸せホルモン「セロトニン」を増やそう】
「セロトニン」は脳内で分泌されて、不安やイライラを抑える働きがあり「幸せホルモン」などといわれています。一定のリズムを繰り返すことで活性化されるそうです。おすすめは、運動を兼ねたリズム体操&ダイエット。時間がない人にもおすすめ。楽しくて、体メイクもできて、ストレス解消です。

 

 

※初めは全く踊れなくても、何日か続けていると不思議と踊れるようになります。運動音痴の私が言うので本当です! ラジオ体操で上半身、このダンスで下半身が引き締まる感じがします(≧∇≦*)!!
【好きな香りの入浴剤で副交感神経をUP】
日中、仕事をしているときには交感神経がバリバリに働いているはず。夜には「香り」&「入浴」で副交感神経をアップさせて自律神経を整えましょう。

 

※私が長年愛用している入浴剤。本当に香りがいいんです! しかも香りが長続きしてくれて、お風呂のお湯を抜いた後も浴室周辺がずっといい香りがしているんです。外出先でも風が吹くとフワッと自分から香ってくる!これがいいんです(≧∇≦*)!! 加齢臭防止にいいんですよ

 

サプリメント

自分の努力だけではどうにもならないときには、外からの手助けが必要です。「でも病院に行くほどでは……」という人は、更年期サプリメントを試してみてください。もちろん効果や満足度は人それぞれですが、自分の状態や体質に合ったサプリメントがあれば楽になるはずです。今更ですが、私も退職前に試してみるべきだったと思っています。

【大豆イソフラボンサプリメントとプラセンタサプリメント】
エストロゲンとよく似た化学構造を持ち、エストロゲン受容体と結合してエストロゲン様の働きをするとされる大豆イソフラボン。「大豆イソフラボンのサプリメント」と「プラセンタサプリメント」をご紹介しています。

 

 

 

身近な人には理解を求めて

更年期症状は働く女性にとって苦悩そのもの。体の症状はもちろんのこと、仕事が思うように進められなくなったり、今までなかったようなミスをしたり、やる気がでなくてどうしようもないとか、イライラが抑えられないとか……。いわば精神力との戦いのようなものです。

 

そんなつらい症状を一人だけで我慢するのではなく、更年期の知識を身につけ、家族や職場の同僚に理解を求めることで、お互いに不満が解消されることもあると思います。仕事そのものにも工夫が必要だし、体のメンテナンスも必要です。

 

だれもが経験する、体が大きく変化する更年期。心身の状態に合わせて自分に合ったお手入れ方法を探してみてください。

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